華道のお稽古を積んでいくと、身につけた技術や知識を証明できる「お免状」を取得できます。お免状は流派によっても内容や名称などが異なりますが、資格として履歴書などに記載も可能です。習熟度が上がり上位のお免状を取得できれば、弟子を取って指導もできるようになります。そこで今回は、華道を習う上で1つの目標となり得るお免状の取り方や取得にかかる費用、流派によるお免状の違いなどについて解説します。
目次
華道の資格「お免状」とはどのようなもの?

取得できるお免状の職位の数や種類も流派によって異なり、同じレベルの階級だとしても流派ごとに呼び方に違いがあります。そして、将来的に弟子を取る場合はお免状を取得した流派のみに限られ、どんなに上位のお免状を取得していたとしても、他の流派では指導できません。 弟子を取って指導をすることまで想定していないとしても、お免状の取得は華道をどれだけ学んだかの証明になり、さらに上の技術を身につけるモチベーションを保つための目標設定にもなります。
お免状の取得でできることとは

お免状は各流派によって異なるものですが、資格の1つとして取り扱われるため、お免状を取得した際は民間資格の1つとして履歴書に記載が可能です。また、流派によっては、一定のレベル以上のお免状取得者を対象とした研究会、作品を展示できる展覧会などへの参加資格を得られることもあるので、より高い技術や知識を学びたい場合にも、お免状の取得が必要といえます。
お免状を取るために必要な費用とは

お免状を取得するための申請料を支払う以前に、当然ながら技術を磨くためのレッスン料も必要な費用です。上を目指せば目指すほどレッスン時間も増えるため、その分のレッスン料が増え、免状取得までにかかるトータルの費用も高額になっていきます。
流派ごとのお免状の種類について

池坊
池坊は華道を確立したといわれる、日本で最も古い長い歴史を持つ流派です。こちらの流派には、基礎の「入門」から最高職位まで18種類の職位があります。入門以外はお免状の名称も職位とは異なり、師範科の「華掌」の上にあたる「脇教授」から指導資格が得られます。指導できる内容は、脇教授とさらに上の「正教授」でも異なります。
脇教授と准教授、正教授はそれぞれ3段階に分かれており、正教授一級の「総華綱」のお免状の上が、名誉職となる最高職位「准華督」「華督」「副総華督」「総華督」の4種類の職位です。ここまでのお免状は特に取得に条件が課されていませんでしたが、最高職位のお免状を取得するには条件があり、最高職位の最下位「准華督」を取得するには40歳以上、かつ総華綱を取得後5年経過した者、その上の「華督」は45歳以上、かつ准家督取得後5年経過した者が対象です。また、最高職位4種類はいずれも推薦が必要となります。 さらに池坊には、功績が認められたごく限られた華道家にのみ与えられる職位として、総華督の上の「華老」という職位も存在します。
脇教授と准教授、正教授はそれぞれ3段階に分かれており、正教授一級の「総華綱」のお免状の上が、名誉職となる最高職位「准華督」「華督」「副総華督」「総華督」の4種類の職位です。ここまでのお免状は特に取得に条件が課されていませんでしたが、最高職位のお免状を取得するには条件があり、最高職位の最下位「准華督」を取得するには40歳以上、かつ総華綱を取得後5年経過した者、その上の「華督」は45歳以上、かつ准家督取得後5年経過した者が対象です。また、最高職位4種類はいずれも推薦が必要となります。 さらに池坊には、功績が認められたごく限られた華道家にのみ与えられる職位として、総華督の上の「華老」という職位も存在します。
小原流
明治時代から続く小原流は、今ではポピュラーな剣山を華道に取り入れた「盛花(もりばな)」を考案した流派です。伝統的な和の華道に、西洋の花や現代的なデザインの作品を作ることでも知られます。
小原流では、池坊と同様に最初は「入門」からスタートします。その後は初等科、本科、1期・2期に分かれる師範科へと進んだ後の「准教授」准教授の取得までには72単位の取得が必要で、ここまで進むまでの期間は入門からおよそ2年が目安です。准教授のお免状を取得すれば、指導資格が得られます。
形式上は指導資格が得られる准教授の職位ですが、実際は准教授で指導できることは少なく、指導できるレベルを目指すには、さらに専門的な知識や技術を身につけるためのお稽古が必要です。准教授の後は4~1級までそれぞれ家元脇教授・家元教授の職位があり、最高位の一級家元教授のお免状取得までには20年はかかるといわれます。
形式上は指導資格が得られる准教授の職位ですが、実際は准教授で指導できることは少なく、指導できるレベルを目指すには、さらに専門的な知識や技術を身につけるためのお稽古が必要です。准教授の後は4~1級までそれぞれ家元脇教授・家元教授の職位があり、最高位の一級家元教授のお免状取得までには20年はかかるといわれます。
草月流
三代流派の中で最も新しい草月流は形式にとらわれない、自由で個性的な生け花が特徴です。
草月流では、初心者は「普通4級」からスタートします。4級から1級まで進んだ後に取得できる「4級師範」からは、草月流の指導者として「草月指導者連盟」への登録ができ、弟子を取っての指導が可能です。以降は3級師範、参与、常任参与総務、常任総務、1級師範顧問と続き、最高位が「1級師範理事」となります。
その他の流派
ここまで紹介した3大流派以外にも華道には数多くの流派があり、それぞれお免状の種類も異なります。
例えば、池坊から派生した「龍生派」は「自由花」「生花」「立華」の3種類のカリキュラムがあり、初心者は自由花からスタートします。自由花は入門、初伝、中伝、皆伝、教授、家元教授の6段階があり、中伝まで進むと生花の入門へ進めます。生花の職位は自由花と同様で、生花の皆伝まで進むと、立華の入門へステップアップが可能です。立花は入門、教授、家元教授の3種類の職位のみです。
平安時代に嵯峨天皇が始めたとされる歴史の長い流派「嵯峨御流」も、初心者は入門からスタートします。入門を経て初伝、中伝、奥伝、准皆伝(師範代)、皆伝(師範)、准華範、華範(正教授)とステップアップしていき、皆伝のお免状を取得すると「指南札(しなんさつ)」と呼ばれる木製の看板が授与され、 なお、嵯峨御流では華範の上の職位として、さらに3段階の特別階級も存在しているのも特徴です。
平安時代に嵯峨天皇が始めたとされる歴史の長い流派「嵯峨御流」も、初心者は入門からスタートします。入門を経て初伝、中伝、奥伝、准皆伝(師範代)、皆伝(師範)、准華範、華範(正教授)とステップアップしていき、皆伝のお免状を取得すると「指南札(しなんさつ)」と呼ばれる木製の看板が授与され、 なお、嵯峨御流では華範の上の職位として、さらに3段階の特別階級も存在しているのも特徴です。
まとめ
華道のお免状は、生け花の技術や知識を得た証明になるものです。上を目指せば目指すほど時間や費用がかかり、取得も困難となりますが、将来的に華道の指導をしたいのであれば、上の職位のお免状取得を目指して稽古に励みましょう。
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