目次
サスティナブルな暮らしとは?
サスティナブル(英:Sustainable)とは、「維持する」という意味を持つ「Sustain」と、「~(することが)できる」という意味の「able」という2つの英語から作られています。 直訳すると「維持することができる」という意味ですが、最近では「地球の環境を守りながら、持続可能な社会や経済を目指す」という意味で使われています。
世界各地で起きている災害や、地球温暖化などの環境問題は、私たち地球に暮らす人間達が招いてしまったものです。これからも私たち人間が地球に暮らしていくためには、今ある資源を次の世代に残し、地球環境に負荷をかけず、長く続けていける暮らしや社会を目指していく必要があります。
そのために求められているのが「サスィテナブルな暮らし」を送ることです。2015年に国連サミットで採択された行動指針「SDGs」で使われたことで、世界中で注目されるようになりました。最近では環境問題に限らず、食事や観光、ファッションなど様々な分野で使われはじめています。
「エコ」と「エシカル」の違いとは?
この2つの言葉は具体的にどのような違いがあるのかを解説していきます。
エコ
エコロジーとは生態学という意味を持っており、生物の生活や環境学との関係、つまり「地球の環境にいい」という意味につながっているのです。
また、エコノミー(economy)もエコと略されることがあります。
エコノミーとは経済のことですが、環境と経済は実は密接につながっていて、どちらか一方だけが発展してもうまくいかないと考えられています。
「環境問題を世界規模で解決していくことこそ世界経済を発展させ、人々の安全で豊かな生活が実現する」とされていることから「エコ」という言葉が使われているのです。
エシカル
「法律などの縛りがなくても、みんなが正しく公平」ということを指しますが、特に「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」という意味で使われています。
たとえば環境や人、動物、地域のことを考慮した商品を選ぶことを「エシカル消費」と呼ぶことがあり、どちらかというと消費者の視点に近い言葉です。
両者の違いですが、「エコ」は「エシカル」という大枠の中のひとつです。
エシカルの中でも、環境と生き物の配慮に重きを置くことを、エコという言葉で使われています。
環境や経済(エコ)を通して、社会に配慮した行動(エシカル)が、持続可能な社会(サスティナブル)につながっていくのです。
私たちにできる「サスティナブルな暮らし」の8つの取り組み
ここでは、まずは日々の暮らしの中で実践可能な8つの取り組みをご紹介していきます。
- 1. 長く使えるものを使ってごみを減らそう
- 2. 省エネでエネルギーを使いすぎないようにしよう
- 3. 無駄をなくして必要な分だけ使って暮らそう
- 4. 生産者の方々や自然環境に配慮した買い物をしよう
- 5. 地産地消のものを選んでみよう
- 6. 再利用やアップサイクリングをしよう
- 7. 自然素材の製品を選んでみよう
- 8. サスティナブルな取り組みをしている企業を応援しよう
特別なことをする必要はなく、自分でできることからはじめていくことがサスティナブルに暮らしを続けていくコツです。
地球の未来や、次の世代の人々のために、自分たちでできることを習慣化して取り入れていきましょう。
1. 長く使えるものを使ってごみを減らそう
ごみを減らすという取り組みは身近な工夫でできるものが多く、意識するだけで簡単に行うことができます。
具体的な取り組み方として以下のようなことがあります。
- ・買い物でエコバッグを使う
- ・使い捨ての容器や食器を使わず、水筒や箸を持ち歩く
- ・詰め替え用や簡易包装のものを選ぶ
- ・替えが効かないか考える
・買い物でエコバッグを使う
レジ袋を当たり前のように使う習慣を変えていくことは、プラスチックごみ削減に直接つながります。
・使い捨ての容器や食器を使わず、水筒や箸を持ち歩く
持ち運びや洗うのが面倒でつい、使い捨ての弁当箱や箸、ペットボトル飲料を利用してしまうこともあるでしょう。
少し意識をして水筒や箸などを持ち歩く習慣を身に付ければ、長期的に見ると多くのごみを減らすことができます。
・詰め替え用や簡易包装のものを選ぶ
一度ボトルを買ってしまえば、その後は少量のごみで済みます。
またスーパーなどではプラスチックトレイを使わず、紙がメインで作られた簡易包装のものも最近よく見かけます。
・替えが効かないか考える
たとえば、食品を保存するためのサランラップは布で代用することも可能です。
長時間の保存は難しいですが、短時間ならば布でも代用がききます。
ごみを減らす取り組みは、小さい子供から大人まで取り組みやすい活動のひとつです。
身近にできる工夫も多いので、意識することで習慣化しやすいといえます。
2. 省エネでエネルギーを使いすぎないようにしよう
照明を消し忘れたり、水を出しながら洗い物をしたり、ついつい生活の中で余計なエネルギーを使っていませんか?
節電や節水は意識するだけで、かんたん行える取り組みのひとつです。
使わない電気や水道をオフにする以外にも、エアコンの温度を調整することや、節電・節水につながる家具やグッズを導入するなど、さまざまな取り組み方が考えられます。
また車やバイクなどガソリンが必要な乗り物の利用を抑えるのも効果があるでしょう。
お出かけの際、公共交通機関を使うのもいいですが、近い場所には自転車や徒歩で行くことで、エネルギーや環境だけではなく自身の健康にも配慮することができます。
そのほかにも、小まめなアイドリングストップや、ふんわりとアクセルを踏む「eスタート」、加速・減速の少ない運転が省エネに効果的です。
遠出の際はできるだけ少ない台数で行く、必要なものはまとめ買いすることでスーパーに行く回数を減らすなどの対策も考えられます。
省エネ対策は、環境だけではなくお財布にも優しいので取り入れやすいのではないでしょうか。
まずは今の暮らしに余計なエネルギーを使っていないかを、見直してみてください。
3. 無駄をなくして必要な分だけ使って暮らそう
今ある資源は有限ではありません。極力無駄をなくすことで、次の世代により多くのものを残すことができます。
近年、大きな問題となっているのが「食品ロス(フードロス)」です。フードロスとは、「まだ食べられる食品を捨ててしまうこと」を言います。 フードロスは、一般家庭だけ捨てられる食品だけでなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されていた賞味期限切れの食品や、飲食店で仕入れた食材が余った場合にも発生します。
この問題は、食べきれる量だけを購入することや、買ってきたものはしっかりと使い切るように、ひとりひとりが意識するだけでも良い方向に変化する可能性が高いです。たとえば、「すぐに食べるものは賞味期限が近いものを選ぶ」「外食の際、注文しすぎない」「安いからといって使えきれないほど買わない」など、誰でも身近なところからフードロス対策に取り組むことができます。
また食品以外にも、必要のないものは極力抑えるようにしましょう。
普段使う物を絞り込むことで、ゴミを減らすことはもちろんエネルギーの節約にもつながっていくでしょう。
4. 生産者の方々や自然環境に配慮した買い物をしよう
お買い物をするとき、価格が安いものを選びたいのは消費者心理としては当然のことですが、少しずつでも考えていくことがいま必要とされています。
この問題にいち早く取り組んでいるのがファッション業界です。
もともとファッション業界は、売れ残った服の大量破棄や、被服を作る過程での環境破壊、低賃金で働いている発展途上国の労働者など、多くの課題を抱えていました。
現在では誰もが知る大手のブランドから、身近なファストブランドまで、多くの企業が地球環境や生産者・労働者に配慮した製品づくりを進めています。
「サスティナブルファッション」と呼ばれているこの取り組みは、欧米を中心に盛んに行われるようになりました。
私たちは実際に製品を作ることはできませんが、買い物を通じて配慮することができます。
たとえば、環境のことを考えるならば、長く着られる服を選ぶことや、リサイクル素材の衣類を買うこと、アニマルフリー商品を選ぶことなどが挙げられます。
また生産者に配慮した製品の基準としては、国際フェアトレード認証商品を選ぶという方法があります。
フェアトレード認証とは、開発途上国の原料や製品が公平な条件で取引されていることなどを認証する制度です。
国際フェアトレード認証団体のサイトには、認証製品や企業名が掲載されていますので是非参考にしてみてください。
5. 地産地消のものを選んでみよう
地産地消とは、その地域で育てられた野菜などの農産物を、そこに暮らす地元の人たちで消費していくことを言います。
地産地消のメリットとして、まず輸送する必要がなくなるので輸送にかかる燃料や二酸化炭素の排出量を削減することが可能です。
食物などを輸送する距離を数値化したものに「フードマイレージ」というものがありますが、この数値が大きいほど輸送コストやエネルギーが大きくなることを表しています。
日本はほかの国と比べると輸入量が多く、フードマイレージの数値が他の国より高いことが問題視されています。
地球温暖化問題ではCO2の削減を目標とされているため、運搬におけるCO2削減は重要な課題です。
地産地消の実現はフードマイレージを減らす取り組みとしても有効です。
また地産地消の取り組みでは、不揃いな野菜や規格外の食品などが販売しやすく、フードロス対策にもつながるでしょう。
そのほかにも、地元の新鮮な野菜が安く食べられることや、生産者が分かり安心感があること、地元独自の調理法や食文化を知ることができるなど、地産地消ならではのメリットは数多く挙げられます。
身近な地域の食に関心を持つことが、環境問題や食糧問題の解決にもつながっていくのです。
6. 再利用やアップサイクリングをしよう
地球の資源をムダなく繰り返し使う社会(=循環型社会)を目指すための3つの取り組みをリデュース(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)の頭文字を取って「3R」と呼びます。
その中でも誰でもかんたんに取り組める再利用の方法として「リユース」や「リサイクル」が挙げられるでしょう。
・リユース
スマホでかんたんにできるフリマアプリが普及したことで、リユースは昔に比べより取り組みやすい活動になりました。
・リサイクル
具体的には、ペットボトルを回収して資源に変えた後、卵のパックや衣料品の原料にされるなどの例が挙げられます。
すぐに実践できるリサイクルへの取り組みとして、ペットボトルや缶、古紙などを自治体のルールに従って分別することや、グリーンマークがついているものなどリサイクル製品を積極的に使っていくことなどがあります。
また最近では「アップサイクリング(Upcycling)」という言葉も聞かれるようになりました。
アップサイクリングとは、リサイクルを進化させたようなアイデアで、不要になったものを新しい素材や更に良い製品に変換することで価値を高めることを指し、創造的再利用とも呼ばれています。
7. 自然素材の製品を選んでみよう
自然素材は、文字の通り自然の中で育ち、土に還る素材のことです。
自然素材は土の中で分解されても無害であることから、環境への負荷が少なく廃棄物の量も少なくなります。
代表的な自然素材には「オーガニックコットン」や「麻」があります。
・オーガニックコットン
オーガニックコットンとして認められるには、認証機関に認められた農地で、栽培に使われる農薬・肥料など厳格な基準を守り育てる必要があります。
加えて、労働者の健康や安全にも配慮されており、自然環境だけでなく栽培に携わる人にもやさしい素材です。
・麻
麻は水をほとんど使わずに成長し、一般的に化学肥料や農薬を必要としません。
加えて、根から繊維、根にいたるまで資源として利用できる特徴があることから、環境負担が少ない自然素材です。
リネンやラミー、ヘンプなどの種類があり、洋服をはじめとして様々なものに利用されています。
8. サスティナブルな取り組みをしている企業を応援しよう
地球環境に配慮した製品づくりをしているメーカーの商品を買うことや、安全な労働環境と適正な価格で取り引きされている国際フェアトレード認証商品を選んでいくことは、サスティナブル暮らしにつながっていくでしょう。
消費者庁のホームページでも、サスティナブルに繋がるエシカル消費のことを 「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。(引用:エシカル消費とは | 消費者庁 (caa.go.jp))」
と定義しており、推奨しています。
また、企業が消費者に向けて行っているSDGsキャンペーンなどに参加するのも良いかもしれません。
たとえば、飲料メーカーで有名な「コカ・コーラ」はリサイクルペットボトルを使った商品を買った消費者に対して、これまたリサイクルペットボトルを素材として作られたフリースが当たるキャンペーンを実施していました。
リサイクル商品を身近に感じてもらい、消費者のリサイクルに対する意識向上を狙ったキャンペーンです。
さまざま企業のSDGsのキャンペーンを通して、応援していくだけでもサスティナブルな取り組みに参加できます。
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